信州農ある暮らしお宅訪問ブログ

長野県内の‘農ある暮らし’実践者を取材しご紹介します。また‘農ある暮らし’の魅力を様々な角度からお伝えするブログです。

File4 原村 “愛犬モモとペンションから広がるつながりの輪” 峰 達男さん・あや子さん 

愛犬中心の生活、人が集う家庭的なペンション経営…思いがけない人生の展開がもたらしたかけがえのない日々…標高1333m。原村第一ペンションビレッジにある‘イメージハウス’のオーナー峰ご夫妻をご紹介します。

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峰達男さんはカメラマン。横浜で長年写真の仕事をしていましたが、旅行で訪れた新緑の原村に心動かされ、2003年の夏、横浜と原村の二拠点生活を始めました。原村に居ながらにして、横浜の写真館の経営を手掛ける「リモートワーク」をすでに当時実現していたそうです。17年前の原村では、リモートワークに必要なネット環境が整っているのはペンションだけだったこともあり、この庭が美しいペンション(1975築)の物件を紹介され購入する運びとなりました。

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「ペンションをやるとは思っていなかった。」と語るお二人。当時、原村の学生の宿泊先が足りないので営業してほしいと周囲からの声があり営業を始めました。居抜き物件で設備が揃っていたこと、あや子さんが栄養士の資格を持っていたことで、スムーズに営業に至り今期で13年。今ではすっかりリピーターに愛されるペンションとなりました。種から育てるナスタチューム、モロッコインゲン、スイスチャード他、レタスやミニトマト、カボチャ、ハーブ類など、ペンションの敷地内で栽培。そういった野菜を使ったサラダや自家製パンの朝食がおいしいことも、リピーターに愛されている理由です。お客さまには「とにかく密で過ごしてもらいたい。今の家族はそれぞれ個室で暮らしていることが多いから、ここで過ごす密な時間を良い思い出にしてもらいたい」と、毎回庭で記念撮影した写真を郵送し、お客様には非常に喜ばれているそうです。

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そしてもう一つ、峰さん夫妻の生活の中心である愛犬モモの存在。知人宅で生まれたジャックラッセルテリアを譲ってもらうことになった時は、初めての犬との生活に半信半疑でしたが、愛くるしい家族の一員と横浜と原村を行き来する暮らしは「こういう犬の飼い方ができて幸せ」とおっしゃるほど濃い時間。数年前から、標高1000mまで下った知人の畑の一角を借りてジャガイモ、サツマイモ、大根などの栽培にも挑戦し、年々‘農ある暮らし’も濃くなってきています。

 

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達男さんの現在の夢は、原村で頑張っている様々な分野の個人事業主を取材しサイトにアップすること。単なるモノのネットショッピングではなく“一軒ずつのストーリーを取り上げ、そこに共感したり、感動したお客さんが購入できるような仕組みづくり”だそうです。また、家族の集合写真を撮ることが減ってきた今、家族写真を撮りに来るついでに泊まってもらえるようなペンションが理想とのこと。あや子さんは、原村でもずいぶんと夏が暑くなってきているので、来年はナスなどの夏の果菜類に挑戦したいと意気込みます。


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八ヶ岳の自然、夏の爽やかさがセールスポイントの原村。けれどご夫妻にとっては‘都会ではない親密さ’が一番の魅力。横浜だったらせいぜい同年代のつながりしか持てないところが、ここにいると若い年代の人と付き合えることが嬉しいとおっしゃいます。ペンションの営業やモモを通して得たもの、築いた人間関係は、峰さんご夫妻のお人柄ゆえだと感じました。「こうやって庭でコーヒー飲めるのは幸せだよね」と微笑む峰ご夫妻の姿が印象的でした。