信州農ある暮らしお宅訪問ブログ

長野県内の‘農ある暮らし’実践者を取材しご紹介します。また‘農ある暮らし’の魅力を様々な角度からお伝えするブログです。

File5 長野市 “百姓見習い 日々是好日” 滝澤 資大さん

差し出されたのは「百姓見習い」という肩書きの名刺。森とブドウと田んぼとニワトリと…長野市七二会の雄大な景色の中で、日々‘農’と忙しく向き合う滝澤さんをご紹介します。

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滝澤さんは塩尻市の「アルプスワイン」にお勤めしながら‘週末農業’のために七二会の山の上のご実家に通っていました。ご実家は300年以上続く農家。昨年退職し、田んぼ8aと、ワイン用ブドウ1ha、その他自然菜園やソルガム畑ほか、心おきなく百姓に没頭する日々。「気が狂いそうにやりたいことがいっぱいあるのを、一つ一つやっている」とおっしゃいます。

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家も道具もここでの暮らしも受け継がれています。今年はじめて市内のエノキカスをいただいてきて栽培しているハロウィン用の巨大カボチャには「大きくなあれ」と我が子のように愛情を注ぐ滝澤さん。

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「ここからの夕べの満月(その日は9月の満月・ハーベストムーン)最高だったよ!」と、紹介してくださったのは、現役の五右衛門風呂!農作業で汗を流した後の最高に贅沢な時間。ここからの眺めは、人の手を加えないとできない里山の風景とその奥に望む広大な山々のコンビネーション!
また、森林インストラクターの資格も持ち、自ら伐採も行う滝澤さんが「雨ニモ負ケズ宮沢賢治「仲良き事ハ美シキ哉」武者小路実篤「日々是好日」雲門文偃禅師 の言葉をチェンソーで刻んだという丸太は七二会地区の文化祭に出展した作品。

 

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純国産赤鶏‘あずさ’の雄鶏1羽とめんどり4羽。毎日4つの産みたて卵。古材で作ったという手作りのニワトリ小屋も立派です。

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もとは桑畑や森林だった丘を叔父さまたちが開墾しリンゴ園にしました。のちに滝澤さんが叔父さまから果樹園を引き継ぎ5,6年前にリンゴを抜根、4年前にワイン用ブドウを定植したという傾斜地のブドウ畑の様子は、まるでヨーロッパの風景。粘土質であることや、リンゴ畑からの転換ということで、ワインブドウには肥料分が多すぎるため栽培を工夫しています。‘メルロー’などメジャー品種の他‘バッカス’や‘ゲベルツトラミネール’など県内では珍しい品種にも挑戦し、この土地ならではのワイン作りを目指しています。

 

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「西麻生」と書いて「にさそ」と読むこの家の屋号を起用したオリジナルブレンドワイン(写真左はラベルデザイン)は委託醸造し、来年には販売するとのこと。今後は仲間とワイナリー法人化を目指し、6次産業化(原料生産から、加工・販売まで一貫して行う)に本格的に取り組みたいと意気込みます。

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「味というのは、舌と鼻ではなく頭でも味わうもの。舌から頭へ行くまでの回路にどんな情報やストーリーを植え込むことができるか」
長年アルプスワインで製造と営業に携わり、その道のプロとして出口の難しさを知っているゆえに、ワイン作りは道楽としてやるには最高でも、複合型でないと生活できない、と夢物語ではない現実の厳しさを教えてくださいました。

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「子供たちが喜ぶことをすれば、大人も喜ぶ」
今の夢は、お孫さんたちのためにピザ窯とツリーハウスを作ること。
「日々是好日」とは、いろいろな物事にとらわれず、ただひたすら毎日を精一杯生きれば、毎日が素晴らしいという意味。それはまさに滝澤さんの毎日だと感じました。

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