信州農ある暮らしお宅訪問ブログ

長野県内の‘農ある暮らし’実践者を取材しご紹介します。また‘農ある暮らし’の魅力を様々な角度からお伝えするブログです。

File13“自分で暮らしを作る”筑北村 佐々田 元さん

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今年の4月から筑北村に暮らし始めた佐々田さんをご紹介します。

 

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東京で育ち、大工になりたくて何となく大学に進学し建築を学んだという佐々田さんは、一年休学してオーストラリアに10ヶ月ワーキングホリデーで就労したのち、大学に戻り卒業しました。その後、東南アジア、ニュージーランドなどの海外を約2年、リゾートバイトで国内を約1年まわりましたが、中でもニュージーランドは「人生を変える国」だったと言います。

 

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 今年初収穫のササシグレ。出来栄えは上々。

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ニュージーランドで、ウーフ(有機農家のホストが食事や寝る場所を提供、ウーファーは労働力を提供し、お金のやりとりは存在しない)の制度を利用してお世話になった二軒のホストファミリーに感化され「暮らし方」についての概念を覆されました。輸送コンテナを素晴らしい住まいにしているファミリー。畑があり、ニワトリを飼い、魚釣りや狩猟をして、薪割りをし、自給自足で暮らすファミリー。…まるでテレビの世界のようなオフグリットな生活が、そこには実在しました。「こんな暮らしが実際にできちゃうんだ!それなら自分もやってみたい」「農的暮らしをしたい」そう思った佐々田さんは帰国した2016年の冬から長野市のゲストハウス‘森と水バックパッカーズ’で働くことに。ここでは週に一度の農作業、旅人との出会い、オーナーの古民家でのDIY、養鶏、狩猟など経験する中で「コレとコレは自給したい」というものが見えてきました。

 

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知人から、田んぼ付きの今の物件(母屋が家事で焼けてしまった)を紹介され、即決で築北村へ。当面はこの‘離れ’に住み、ゆくゆくは独学で自ら家を建てたいという夢をお持ちです。
写真は、トイレ工事の際に設置した仮設簡易式バイオマストイレや、ご近所から立て壊しする前に譲ってもらった木材や廃材。さっそく今年の夏にはウッドデッキを作りました。

 

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現在は、長野県でも貴重な伝統技術の一つである茅葺き屋根の葺き替えや解体作業を手伝う傍ら、竹内孝功さんの‘自然農’の本を参考に、野菜づくりに励んでいます。もともとの土が肥沃だったこともあってかよく育ちましたが、今は解体したカヤで上質なたい肥を作りたいと研究中です。

 

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 混植のネギ、大根、パプリカやニンニク。そのほかにもジャガイモ、ナス、キュウリ、ズッキーニ、ミニトマト、オクラ、カボチャ、ほうれん草、タアサイ、ニンジン、ニラなど、少量多品目栽培。

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コットン(綿)は植え付けが遅かったのか、はじけませんでしたが、可愛らしい実。

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今年のコメ作りでは、同年代の知人が何人も協力してくれました。「単に自給自足ができればよい」わけではなく「いろいろな人を巻き込み、実践者を増やして情報交換しながら、いろいろなことに挑戦したい。発見を共有したい。けれどもコミュニティは作るものではなく、自然にできるもの。一人でもやる、という覚悟を持つことも大切」そう考える佐々田さんは、"暮らしを手作り"をコンセプトに4月に”暮らしつくり研究所 Hatch”を立ち上げました。"Hacth"とは「部屋と部屋をつなぐ通路」「卵を孵化させる」などの意味があり「興味や関心が芽生える場、人と人をつなぐ場になればいい」という思いが込められています。畑、田んぼ、暮らしにまつわる様々なことを、ここ筑北村で日々実践し、自然と人が集い笑顔あふれる"農ある暮らしコミュニティ"のモデルになる日も遠くないのでは、と感じました。

 

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