3/5 (土)長野県×中野市 農ある暮らしオンラインセミナー&個別相談会
File22“地域のお母さんたちと守る伝統野菜”中野市 榎本 郁美さん
中野市の地域おこし協力隊として、中野市の伝統野菜‘ぼたんこしょう’を中心に、農産物の魅力発信などを行う榎本さんをご紹介します。
東京生まれ、埼玉育ちの榎本さんは、もともと食べることが好きで、東京農業大学の栄養学科に入学。次第に農業にも持つようになりました。卒業後は学校給食の調理の仕事をしながら、週末を利用して趣味の登山に出かけていましたが、もっと自然の多いところへ行きたいと感じていました。ある5月の連休に、志賀高原の横手山の‘日本一標高の高いパン屋さん’でアルバイトをした際、中野市の地域おこし協力隊のOGの方と話し、中野市の農業体験ツアーがあることを知りました。
榎本さんは、さっそく中野市の農業体験ツアーに参加してみると、日帰りでは物足りず「もっとガッツリやってみたい」と思い、住み込みで体験ができる農家さんがないか中野市役所に相談しました。そこで紹介されたのが、市の伝統野菜‘ぼたんこしょう’を守り続けている「斑尾ぼたんこしょう保存会」の松野さん。長期休みを利用して、二週間近く泊めてもらいながら、農作業をしているうちに、この地域の景色や、みなさんの人柄にすっかり惚れ込んでしまったそうです。その後、中野市の地域おこし協力隊に応募。現在は「食から農業を活性化する」というミッションのもと、地域や農産物の魅力を発信したり、イベントを企画する他、ぼたんこしょうの栽培作業、加工製造などのお手伝いをしています。
信州の伝統野菜に登録されている‘ぼたんこしょう’は、ピーマン型をしたトウガラシ。種の周りの強烈な辛み成分と、肉厚な果肉の甘みが絶妙なバランスで癖になる美味しさ。形が牡丹の花に似ていることから「ぼたん」の名がついたそうで、標高800m前後のこの地域で100年以上作り続けられてきました。この冷涼な気候が、良質なぼたんこしょうを生み出すそう。
形の良いものに印をつけ種用に残しておいたり、食べれば美味しい赤く熟した果実は、種を取られてしまう恐れがあるため外に出さないようにしています。
作業場の奥にある加工施設。ご飯がすすむ‘こしょうみそ’などを製造。
ぼたんこしょうの収穫時期は7月中旬から10月下旬。ハネダシもロスなく新鮮なうちに刻んで冷凍ストックし、代々受け継がれてきたお母さんたちの味を手作業で加工できるのも、6次産業のメリット。榎本さん生産者さんと消費者をつなぐ架け橋になりたいと話します。
収穫されたぼたんこしょうは、JAや県内外の飲食店などへ出荷。
農作業の合間のお茶時間やお昼ご飯は、榎本さんのお楽しみのひとつ。とれたて野菜と愛情たっぷり詰まったお母さんたちの美味しいご飯に笑顔が溢れます。
左:ぼたんこしょうの葉っぱの天ぷら
右:定番の‘油みそ’。ぼたんこしょうとナスを多めの油で炒めて、甘辛味噌で絡めた一品。
畑でのお茶菓子は、中野市特産のフルーツいろいろ。
「月見草の花も天ぷらにして食べられるのよ」と松野さんが教えてくれました。
「住み込みの農業体験を受け入れてくれたのが、松野さんだったから今に繋がった」という榎本さんと、「孫のようで…」と嬉しそうに話す松野さん。そんなお二人の微笑ましい姿が印象的でした。榎本さんの、その朗らかな笑顔とお人柄で、地域の皆さんに愛されながらミッションを遂行し、任期終了後もずっと繋がっていくのでしょう。
榎本さんは「農業はハードルが高い。でも、興味を持つ人はたくさんいる。もっとライトな農業との関わり方があるのでは」と考えます。これからの新たな農業との関わり方を模索しながら、ご自身の体験を活かし、伝え広めていってく
File21 “命と向き合いながら生きる” 南木曽町 植村いつ香さん
南木曽の山の中で、繁殖和牛を中心に先代から続く家業を守り継ぎ、4児の母として奮闘する植村いつ香さんをご紹介します。
山からの豊かな水は動物にも人間にも大切な恵み。
子供の頃は、家の仕事をなんでも覚えて手伝いたかったという植村さんはいつもお父様の手伝いをしてきました。高校卒業後は、動物関係に進むという周囲の考えをくつがえしたくて、上京し洋裁の専門学校に通いました。
身近に自然もない、動物もいない東京での暮らし。改めてふるさと南木曽の暮らし、豊かな自然のすばらしさに気づいた植村さんは、農業に興味のなかったお姉さんが実家を離れるタイミングで戻ることを選択。18年前に戻り家業を手伝うことにしました。
かつては、カラーやガーベラなどの花き栽培なども行っていましたが、現在はアイガモ、肉用ヒツジ(サフォーク)、繁殖和牛に加えて、お米施設でのキノコ栽培等で生計を立てています。植村さんのご主人は会社勤めをしながら、家庭菜園での野菜作りを担当。またお父様はもともと趣味をお金につなげられる器用な人。現在は一歩引いた距離で植村さんを支えつつ、日本ミツバチの飼育、イノシシやシカなどの狩猟など様々なことを手掛けていらっしゃるそうです。
繁殖和牛の飼育は、植村さんが一番やりたかったこと。現在は、家業や生活とのメリハリをつけるためにも、南木曽の地域おこし協力隊の方が始めたヤギ牧場に週2日、朝の3時間ヤギの世話のお手伝いをしています。
写真右:西洋ハチ用の箱に日本ミツバチが住み着くのは難しいそうで視察に来る方もいます。また、みつろうは、みつろうラップを作って提案している方のところで活用されているそう。
この環境での子育て。自然や動物たちとの関わりの中で、命の大切さや生きることそのものを、日々肌で感じながら、ここでの暮らしをご自身の子供時代と重ねてみても、大いに楽しんでくれていることが嬉しいと、おっしゃいます。もちろん、テレビやネットも必要。上手に付き合いながらでいい、ただ、植村さんが望むことは「自分たちで生きてゆくすべを身に着けてほしい」ということ。
外灯がない、満点の星空、山々に囲まれた静かな集落での暮らし。
今のこの時代だからこそ、何もないことが逆にゼイタクに思える。
美しいだけではない自然と共に、命と向き合い暮らすということ。
「お金を稼ぐことよりも、自給自足を極めてみたい」今はそんな
思いが芽生えているという植村さんの言葉と笑顔が印象的でした。
農ある暮らし相談センターアドバイザーの山村が、県内にお住まいの皆さまのお宅に伺い、取材させていただいたものを記事にします。
移住された方、二拠点生活の方も大歓迎です。お顔写真NG、匿名希望等ご要望に応じ、個人情報の取り扱いには充分に注意いたします。
応募に関するお問い合わせは、
長野県農政部農村振興課 Tel:026ー235-7242 まで
詳細はこちら
ニ地域居住推進キャンペーンのお知らせ
\長野県で二地域居住されている方必見!!!!/
【二地域居住推進キャンペーン】実施中!
移住・二地域居住でお得なサービスが受けられる「楽園信州ファミリー」会員。
『二地域居住をしている』とお申込み&アンケートにご協力いただくと、今なら抽選で35名様に【信州の魅力発見につながる景品】が当たります。
この機会に、是非、お得な「楽園信州ファミリー」にご登録ください。お申込み、会費は無料です。
※二地域居住とは?
長野県内と県外にそれぞれの就労や生活の拠点を有し、県内拠点の滞在期間が1年間で合算して1か月以上(見込も含む)となる方を対象とさせていただきます。
☆受付期間☆
・会員申込…2022年2月11日(金)まで
・アンケート提出…2022年2月25日(金)まで
☆信州の魅力発見につながる景品☆
・銀座NAGANOスタッフセレクト!信州の特産品詰め合わせ(5,000円相当)…5名様
・信州物味湯産手形(県内12施設の入浴手形と200以上の施設で受けられる割引・特典)…30名様
キャンペーンの詳細・お申込みはこちら
▶https://www.rakuen-shinsyu.jp/modules/news/page/950
会員お申込みフォームはこちら
▶https://www.rakuen-shinsyu.jp/modules/contents/rakuen_family/index.html
11月26日『信州農ある暮らしセミナー』を開催 ながので楽しむ農ある暮らし~秋冬物語~
楽園信州移住セミナーが、久しぶりに有楽町のふるさと回帰支援センターでリアル開催されます。
第1部は市町村個別相談会、第2部は農ある暮らし相談センターの山村農業アドバイザーが、信州農ある暮らしセミナーを開催、信州の秋冬の農ある暮らしについてお話します。
11月になると長野県は霜が降り、最低気温が氷点下になることもありますが、秋冬野菜の管理、野菜や果物の保存や加工、お菓子作りなど、農ある生活は、農閑期でもやること・できることが沢山あります。
農閑期の暮らしぶりに触れるセミナーは今回が初めて✨ 料理が得意な山村アドバイザーならではのお話を聞くことができます!
○ 日 程:2021年11月26日(金曜日)
○ 開催時間:17時30分から20時30分
○ 開催場所:東京交通会館4階 ふるさと回帰支援センター(千代田区有楽町)
★イベントの詳細と申込はこちらから
ふるさと暮らしセミナー – 認定NPO法人 ふるさと回帰支援センター
皆様のご参加をお待ちしております!
ビーツの甘酢漬け/サラダの彩にもおススメです
秋に蒔いた野菜を雪の下から収穫