信州農ある暮らしお宅訪問ブログ

長野県内の‘農ある暮らし’実践者を取材しご紹介します。また‘農ある暮らし’の魅力を様々な角度からお伝えするブログです。

File18"村内産100%の加工品づくり"山形村 窪田 典子さん

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東筑摩郡山形村、農村コミュニティーづくりを目的に農産物の加工開発等を行う施設‘’エポック館で、指導員の一人として働く窪田さんをご紹介します。

 

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エポック館では、この加工施設を使って山形村の村民が村内で採れた農作物で、みそ、しょうゆ、トマトケチャップ、野菜ソース、漬物、豆腐等、様々な加工品を作っています。ご家族やグループごとに、窪田さんを含む三名の指導員さんが分担して機械の使い方、作業手順など丁寧に指導しており、今年度はコロナにより閉館せざるを得ない期間を経て、細心の注意を払っての再開。この日窪田さんが指導したのは、村内の空いてしまった畑で6,7年前から大豆を作っているという、神通川さんとその娘さん、それからお姑さんの三名。自前の大豆によるお豆腐作りと、みそ作りのための麹や大豆の仕込みの様子を取材させていただきました。

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豆乳ににがりを入れる工程は一番気をつかうところ。豆によってもにがりの分量も変わります。自家製豆腐は、おからも栄養や旨みがたっぷり。使用した大豆は、長野県野菜花き試験場で育成された‘ナカセンナリ’。

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豆乳を型に流し重石を乗せておくと、どんどんと水分が外に流れ、豆腐が固まっていき、20ほどで濃厚なお豆腐が出来上がりました。6kgの大豆からひとつの型で24丁、合計48丁のお豆腐ができます。

 

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手作り豆腐は病みつきになる美味しさ。神通川さんの家族や親戚、ご近所の方々も年に数回届くこのお豆腐を楽しみにしているとか。またお孫さんたちは、自家製トマトケチャップの味を覚えてしまったら、市販品を食べたがらないそう。こんなふうに、空いてきてしまった畑で、お豆腐と味噌のために大豆を作り、ケチャップのために加工トマトを作って加工するという方がいたり、村内の学校給食ではここで作った加工品を使うなど、以前から地産地消の精神が根付いています。

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年に一度もしくは数回の作業だと不安な機械の動かし方や作業工程についても、窪田さんのような指導員さんがいることで、皆さん安心して効率よく作業できると喜ばれています。味噌の仕込みは1〜4月、ケチャップは8〜9月上旬が加工のピークとのことで、それ以外の時期、窪田さんは農家さんで働いたり、7名ほどのグループで畑を借り、大豆、小麦、トマト、さつまいもなど栽培し、収穫や製粉などを子どもたちに体験してもらったりしています。

 

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 マニュアルはあっても、それぞれのご家庭の米や大豆によって加熱時間なども変わります。

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みそに使う麹も、自分の家でとれたお米で手づくり。蒸かしたお米を広げ、適温になったところに麹菌を全体にまぶし、発酵機で加温。翌日、朝夕二度かき混ぜ、翌々日に出来上がります。

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窪田さんは、畑で農作物を作る喜びや、安心安全で美味しい農産加工も、若いお母さんや子供たちにも伝えていきたいと言います。また、安すぎるものが溢れている中で、村内の生産者さんを守ってあげることも大事だと考えます。

 

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もともと窪田さんは大阪出身。結婚、出産を機に20代で山形村へ移住してきました。農家じゃないからこそ、食べ物を作り出すことへの関心が高く、喜びや楽しみ、感謝の気持ちを感じながら、こうした‘農ある暮らし’ができるのかもしれません。
「この村は小さいけれど、人と人とがつながっているところが好き。‘食べること’‘ていねいに暮らすこと’を大切にしながら今やっていることを仲間と続けていきたい。」
窪田さんのような指導者や山形村の取り組み、思いがこれから先もずっと受け継がれていってほしいと思うと共に、こんなふうに指導員や設備が整った加工所が村にあることがとても素晴らしいと思いました。

 

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